当時は病名などはまったくなく、医者もどこ吹く風であったようですが、今では夜驚症(やきょうしょう)という名前がついています。
夜驚症
主に3~7歳ぐらいの小さなときにだけ発症し、夜泣きと違って、例えばおむつが濡れていて深いとかうるさいとかそういう外敵の刺激を受けていないのにもかかわらず、寝ているとき突然泣き叫びながら起きてしまい、恐怖に駆られ続けるという状態になりますが、本人は覚えていないことが多いのです。私は次の日にはケロッとすることはあれど、覚えていないというわけではなく、とにかくその場所に留まるのが嫌でクローゼットの中に隠れたこともありました。
家族にも心配をかけ、少しでも良くなってほしいと願った祖母が、病院に連れて行ってくれたことがあります。
お医者さんに上記のような症状があることを説明しましたが、1980年代にはこんな症状があることすらヤブ医者お医者様は知らないので何の解決にもなりませんでした。
今だからこそわかるこの原因は、物心がつく前の恐怖体験が深層意識に眠っており、何らかの拍子に揺り起こされてしまうものだと思いますが。
夜驚症の克服
10歳を超える頃には忘れてしまうことが多いそうですが、私はその後は泣きはしませんでしたが夜静かなときに突然音が大きく感じてしまう症状に苛まれました。外の車の音から風の音、はては自分の心臓の鼓動ですら大きく耳障りな音と感じてしまうからさあ大変です。
やめてくれ!と頭で念じる以外に対処がなく、ただひたすらこの症状が収まってくれるのを願うばかりでした。
頻度
頻度としては一月に1回程度でしょうか。とにかく怖い思いを継続的に繰り返していました。
恐怖を我が物にする体験
大人になって、27歳の頃でしょうか。ちょうど車に載っているときにこの症状に襲われました。まだ明るいときです。
いつものように恐怖に駆られましたが、ふと、どこまで音を大きく感じることができるだろうか?と考えました。
どうせ怖い思いをするのならば追い込むだけ追い込んでみようと、そう思って、どれだけ音を大きく感じることができるか試してみようとしました。
つまり、恐怖を感じるのではなく楽しんでみようとしたのです。
そうしたら、その日から症状がふつりと消えてしまいました。
ジョジョの奇妙な冒険1部のツェペリ男爵の言う「恐怖を我がものとし、呼吸が乱れず波紋が練れる状態」にでもなったんでしょうか。
症状の名前は夜驚症以外に「不安神経症」か「アリス症候群」ともいうんですかね。
子供の頃
結論
でも、恐怖はいつか乗り越えることができるんでしょう。ただ、おとなになって漸く乗り越えられたわけですから、子供のときには思いつきすらしなかったと思います。
もしかしたら現在の、薬物によらない治療ができるお医者さんだったらなんとかなるのかもしれないですね。
乗り越えた後は勇気も湧き安堵が待っているのですから、もし同じように悩んでいる方がいるのならば、恐怖を遠のけるのではなく打ち勝つことが大事なのかもしれません。
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